幼なじみの隣で不器用な恋を

「花奏ちゃんから、幼なじみの男の子の話が出る度に感じてたの。その子のこと、すごく好きなんだな…って。そっかそっかぁ~!今は彼氏になって、傍に居てくれてるんだね~!」


「はい…。」


「今日、幸せそうな花奏ちゃんを見たら、嬉しくなっちゃった!そんな風に二人でお買い物してると、なんだか新婚夫婦みたいねっ!」


「えっ!?」


思わず眞紘くんと顔を見合わせる。


お互い瞬きを繰り返していると、竹内さんからフフッと微笑ましそうに笑う声が聞こえてきた。


「二人とも初々しい雰囲気が可愛い~!あっ、いつまでも私が居たら邪魔だよね!それじゃあ、私はこれで。また今度、ゆっくりと彼氏のお話聞かせてね!」


竹内さんは、ヒラヒラと胸元で手を振ってレジの方へと去って行く。


その後ろ姿を見送った後、眞紘くんはフッと笑った。


「なんか、見た目…大人しそうな雰囲気の人なのに、明るくて、よく喋る人だな。」


「うん。私も最初はビックリしたよ。」


結構、ギャップがあるんだよね。


「喋ると言えば、あの人に俺のこと…色々と話してたんだな、花奏。」


ニヤリと笑みを浮かべる眞紘くんに、ドクンと鼓動が波打った。 


< 281 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop