幼なじみの隣で不器用な恋を
離れてからも、ずっと想ってくれてたんだ。
「私、手紙を出したこと…迷惑だったんじゃないかと思ってたの…」
「そんなわけねぇじゃん。すげぇ嬉しかったよ。だけど、手紙を書くのは苦手で、電話は…一度でも花奏の声を聞いたりしたら、好きっていう気持ちが止まらなくなって、毎日…会いたくなるし、声も聞きたくなるから出来なかったんだ。」
そっか…。
それが理由だったんだね…。
「だから、当時は勉強とか部活とか、とにかく目の前のことを無我夢中に頑張って、自分を成長させようと思った。高校生になったら花奏に会いに行こうと心の中で固く決めて。身勝手でごめんな。」
私は、堪らずに首を横に振った。
「身勝手なんかじゃないよ。あの頃のこと、話してくれてありがとう…。」
ずっとずっと…
眞紘くんの心の中に私がいたんだ…。
「優しいよな、花奏は。こんな話を聞いたら、怒ってもいいぐらいなのに。」
「怒るわけないよ。むしろ、眞紘くんの想いが伝わってきて嬉しかったから…。」
言い終わるのと同時に、軽く触れるキスをされた。