幼なじみの隣で不器用な恋を
玄関で固まっていると、眞紘くんは静かにドアを閉めた。
「花奏、どうした?」
「ううん、何でもないよ!それじゃあ、お邪魔します…」
私は慌てて靴を脱いだ。
緊張し過ぎてたら、眞紘くんと一緒の時間を楽しめないよね…。
落ち着かなくちゃ。
気軽に遊びに行ってた頃を思い出して、もっと肩の力を抜いて…。
心の中で言い聞かせながら部屋に入る。
あまり物が置かれていない、ブラウンとベージュを基調とした部屋。
この前、ショッピングモールに行った時に買ったテーブルランプや掛け時計、ブックラックも置かれていて、部屋の雰囲気に馴染んでいた。
隣の家に住んでいた時とは違って、とても大人っぽい部屋だな…。
ここに一晩、泊まるんだよね…。
ドクンドクンと激しく跳ねる鼓動。
緊張が増すのを感じると、眞紘くんがポンポンと私の頭を撫でた。
「さっきから思ってたんだけど、花奏…緊張してる?」