幼なじみの隣で不器用な恋を
“そうです”と言わんばかりにビクッと肩が上がる。
「やっぱり。家まで来たら、表情も固いし動作もぎこちなく感じてたから。」
「緊張し過ぎないようにとは思ってるんだけど、なかなか上手くいかなくて。ごめんね…。」
「いや、緊張してるのは俺も一緒だから。」
「えっ…」
眞紘くんも…?
「幼なじみだけの関係だった時とは違って、今は俺の彼女なわけだし。」
「そ、そっか。眞紘くんは、いつもと変わりない雰囲気に見えたから、リラックスしてるのかと思ったよ。」
「平静を装ってるだけだよ。正直、部屋で二人きりだなんて色々とヤバくて、緊張以上にツラい闘いっていうか…」
「え?」
眞紘くん、何かと闘ってるの?
体調、悪そうには見えないけど…。
「あっ、今のは…何でもねぇから。それより、早速…夕食の準備を始めないとな。」
「あっ、その前に私服に着替えてもいい?」
「もちろん。俺、とりあえず食材を冷蔵庫に入れたりするから、先にリビングで着替えて?」
「う、うん…」
何でもないって言ってるから、気にしない方がいいかも。