幼なじみの隣で不器用な恋を
「あ、いや…今のはキスのことじゃなくて、それよりも先のことっていうか……」
「えっ…?」
頭に疑問符を浮かべると、眞紘くんは照れくさそうな顔をした後、私の鎖骨の辺りに軽く触れるキスをした。
「キス以上に甘いこと。」
触れられた鎖骨から顔まで、火が点いたかのように一気に熱くなる。
なんとなく、眞紘くんの言ったことを理解した私は、心臓が勢いよく跳ね上がった。
「あ、あの……勘違いしてごめんね。」
「いいよ。でも、さっきの返答は理性を吹っ飛ばしそうなぐらい破壊力あったな。もう少しだけ、キスの続き……する?」
「う、ううん…。もう胸がいっぱいだから、また今度にしたいです…。」
アタフタしながら消え入りそうな声で答える私に、眞紘くんはフワリと柔らかい笑みを浮かべる。
「ん、分かった。俺ら、これからも付き合っていくんだし、ゆっくり進んで行こう?焦ることねぇから。」
「うん…!」
いつの間にか治まった涙。
笑顔の私を、温かい眼差しで見つめる眞紘くんは、優しく頭を撫でてくれた。