幼なじみの隣で不器用な恋を
「やっぱり、花奏と居ると…楽しいな。」
「わ、私も…!眞紘くんと話すの…楽しい。」
二人で顔を見合わせて、笑みを零した。
眞紘くんが、私との時間を楽しく感じてくれるなら…
無邪気な笑顔を見せてくれるなら…
私は、それだけで充分幸せ…。
眞紘くんの言動にドキドキしたり、女の子たちにヤキモチ妬いたりして、恋心が膨らみそうになるけど…
その時は、ちゃんと私が心の中でブレーキをかけるから…。
“好き”なんて言って、困らせたりしないから…。
だから……
「あの、眞紘くん…」
「ん?」
「私、眞紘くんの幼なじみとして、ずっと仲良くしてもいい?傍に居ても…いい?」
立ち止まった眞紘くん。
少し沈黙してから、私に軽くデコピンをした。
「何言ってんだよ。そんなの、いいに決まってんだろ?」
「う、うん…。」
ちょっとヒリヒリする額。
手で押さえると、眞紘くんは私から視線を逸らした。
「俺の隣に居ろよ、ずっと…。」