幼なじみの隣で不器用な恋を
そんなことしたら、勢い余って自分の気持ちを言葉にしてしまいそうだから。
アイツに告白するのは…まだ早い。
3年ぶりに会って、いきなり“好きだ”なんて言ったら、きっと…花奏は困惑する。
もしかしたら、幼なじみとしての“好き”みたいな意味で捉えられてしまうかもしれない。
実際、花奏は…相変わらず俺のことを幼なじみとしか思ってないみたいだし…。
『幼なじみだよ、幼なじみ…。』
朝、花奏が星川に…そう言ってたのが聞こえてきたからな。
それに、“幼なじみとして、ずっと仲良くしてもいい?”って聞かれたし。
焦って告白して、気まずい関係になったりするのだけは避けたい。
「…………。」
…かと言って、あまり悠長に構えてるわけにもいかねぇんだよなぁ。
さっきみたいに、花奏に馴れ馴れしく声掛けてくる男たちとか…今後も居そうだし。
モタモタしてたら、誰かに奪われる可能性だってある。
花奏が俺以外の男と付き合う姿なんて、想像したくもないし、絶対に嫌だ。
慎重にいかなきゃだけど、のんびりするわけにもいかない。
難しいな…。