幼なじみの隣で不器用な恋を
「それ、すっげぇ恥ずかしいから、今日…花奏に会っても絶対に言うなよ?もちろん、花奏の親にも!」
夕食の席で、そんなことバラされたら…花奏が戸惑うのは目に見えてる。
今後、両想いになれる可能性だって…皆無に陥るかもしれない。
まだ、花奏と再会したばかりだってのに、そんな結果になったら、さすがにキツすぎる。
「はいはい、分かってるわよ!そんなに顔を真っ赤にするなんて、眞紘も可愛いとこあるのね~!」
「安心しろ。俺もママも口は固いから、ちゃんと内緒にしたまま、海外に行くよ。」
そんなニコニコ顔で言われると説得力ゼロだけど、切実に訴えたから大丈夫だろう…。
あー、それにしても顔がメチャクチャ熱い…。
この熱、冷ましたい。
「俺、ちょっとコンビニで飲み物買ってくる。父さんたちは、テレビでも見てれば?疲れてるだろうし、ゆっくりしてろよ…。」
「それじゃあ、そうさせてもらうよ。」
適当な理由を作って部屋を出た俺は、パタパタと手で頬に風を送りながら歩きだした。