幼なじみの隣で不器用な恋を
「そんな風に自信満々に言ってるけど、家に着くまでにコケたりしたら大変だろ?花奏、危なっかしいところがあるからさ。」
もちろん、それは…表面上の理由。
本当は、単に花奏と一緒に居たいだけだ。
「でも、眞紘くん…コンビニに行かなくていいの?」
「ああ、別にいいよ。どうしても飲み物が欲しいとか、そういうわけじゃねぇから。」
「そっか…。じゃあ、お言葉に甘えて…宜しくお願いします…。」
花奏は申し訳なさそうに頭を下げる。
そこまで仰々しくしなくてもいいのに…なんて、苦笑いしながら歩き始めた。
「今日、ポカポカしていて春らしい天気だよね…。まさに、お散歩日和。」
「…そうだな。」
このまま、遠回りして帰りたいぐらいだ。
花奏と一緒にいると、ドキドキして心臓は落ち着かないけど、とても楽しい。
癒されるし、温かい気持ちで満たされるんだよな。