幼なじみの隣で不器用な恋を
その後、他愛ない会話をしているうちに、あっという間に家に到着。
家のドアの前で買い物袋を花奏に渡した。
「眞紘くん、ありがとう…!あの、ここで少し待ってて?」
「えっ…」
どうしたんだろ…。
疑問に思いながら家の前で待っていた俺は、ふと隣の家に目を向けた。
今朝、ここに来た時も思ったけど…3年前まで住んでた家に、見知らぬ他人が住んでるのを見るのは、なんか不思議な感じがする。
当時は、この場所に戻って来る予定は無かったから、家を売ったのは仕方ないけど…
もしも、自分の家だったら……なんて思っちまうんだよな。
花奏との思い出が詰まってる家だから、やっぱり寂しいものがある。
まあ、どうしようもないことだけど…。
「眞紘くん、お待たせ…。」
暫くして戻って来た花奏。
俺の前に缶ジュースを差し出した。
「お母さんの実家から送られてきたリンゴジュースなんだけど、良かったら飲んで?」
「えっ、いいのか?」
これ、結構美味しいんだよな。