幼なじみの隣で不器用な恋を

少し不機嫌そう…。


お母さんがモテモテだったとか、イケメンだとか言ったからかな…。


本人からすれば、そういうのって…照れくさく感じるよね、きっと…。


そのあと、食事が終わるまで特に会話をしなかった私たち。


一方、親同士は積もる話がたくさんあるようで、ずっと喋りっぱなしだ。


話題って尽きないものなんだなぁ…と感心していると、眞紘くんが私の肩をツンツンと指でつついた。


「あのさ、トイレ使わせて欲しいんだけど…場所どこだっけ?」


「それなら、私…案内するよ。ちょうどキッチンに飲み物を取りに行こうかなって思ってたんだ…。」


二人でリビングを出る。


「えっと、トイレは…」


場所を教えようとした時、眞紘くんはフッと笑った。


「洗面所の奥…だろ?昔から何度も使わせてもらってるから、さすがに忘れないよ。」


「えっ…」


それじゃあ、なんであんなことを…?


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