幼なじみの隣で不器用な恋を
「あの場に俺らが居ても、邪魔な感じだろ?親たちにしか分からないような色んな話をしてるし。」
「そ、そうだね…。」
確かに、完全に親同士で会話が弾んでいて、私たちが入り込むような雰囲気じゃない…。
「花奏の部屋、行ってもいい?親たちの話が落ち着くまで、とりあえず退避ってことで。」
「うん…。じゃあ、飲み物をキッチンから持って行くよ。眞紘くん、先に行ってて?」
「分かった。」
キッチンにやって来た私は、冷蔵庫からお茶の入ったペットボトルと、コップを二個、トレーにのせた。
もしかしたら眞紘くんが部屋に入る可能性があるかも…と思って、お掃除しておいたんだよね…。
良かった…。
安堵しながら階段を上って、二階へ。
すると、部屋の前に眞紘くんが立っていた。
「あれ?中に入らないの?」
「俺が先に入るのも悪いと思ってさ。さすがに、昔みたいに気軽には入れないだろ。」
少し照れくさそうな表情をしながら頭をクシャクシャと掻く姿に、ドクン…と鼓動が波打った。