幼なじみの隣で不器用な恋を
それって…
私を一人の女の子として意識してくれてるってことなのかな…?
だって、前は…家に遊びに来た時、私よりも先に部屋に入ることだってあったし、そんな風に照れた顔することも無かったのに…。
「………ずっと隣の家に住んでたなら、普通に入ってたかもしれねぇけど、3年ぶりだからな。」
「う、うん…。」
そ、そういうことか…。
まあ、それもそうだよね…。
もしも私が眞紘くんと同じ立場だったら、確かに…幼なじみ同士とは言っても、以前みたいな感じで堂々と部屋には入れないと思うし…。
私ってば、幼なじみ以上に意識してくれてるのかな…なんて少し期待したりして、自意識過剰もいいところだ。
恥ずかしい…。
「…花奏、部屋の中に入っていい?」
「うん、どうぞ…。」
ドアを開ける眞紘くん。
一緒に中に入った私は、ぎこちない動きで、持ってきたトレーを小さなテーブルの上に置いた。