幼なじみの隣で不器用な恋を

「やっぱり、ここが一番…懐かしいな。」


眞紘くんは、ゆっくりとカーテンを開ける。


窓の向こうに見えるのは、隣の家の窓…。


もともと、眞紘くんの部屋があった場所だ。


「夜、その窓を開けて…二人で色んなこと喋ったりしてたよね。」


「あまり長々と話してると親が怒りにきたよな。“早く寝なさい”って。」


「そうそう!でも、話し足りない日は…親が部屋から出て行った後に、また話し始めたりしたよね。電気消して小さな声でヒソヒソと!」


「んで、また様子を見に来た親に怒られるんだよな。」


当時の光景を思い出しながら、二人でクスッと笑ってしまった。


夜に限らず、雨の日や風邪で外出が出来ない日も、窓を開けて話をしたっけ。


楽しかったな…。


眞紘くんと一緒に、数えきれないくらい会話を交わした…。


たくさん、笑顔になれた場所。



< 59 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop