幼なじみの隣で不器用な恋を
「やっぱり、ここが一番…懐かしいな。」
眞紘くんは、ゆっくりとカーテンを開ける。
窓の向こうに見えるのは、隣の家の窓…。
もともと、眞紘くんの部屋があった場所だ。
「夜、その窓を開けて…二人で色んなこと喋ったりしてたよね。」
「あまり長々と話してると親が怒りにきたよな。“早く寝なさい”って。」
「そうそう!でも、話し足りない日は…親が部屋から出て行った後に、また話し始めたりしたよね。電気消して小さな声でヒソヒソと!」
「んで、また様子を見に来た親に怒られるんだよな。」
当時の光景を思い出しながら、二人でクスッと笑ってしまった。
夜に限らず、雨の日や風邪で外出が出来ない日も、窓を開けて話をしたっけ。
楽しかったな…。
眞紘くんと一緒に、数えきれないくらい会話を交わした…。
たくさん、笑顔になれた場所。