幼なじみの隣で不器用な恋を
「このお守りのおかげで、俺…大きなケガもしなかったし、病気になることもなく元気でいられた。だから、本当にありがと…。」
優しい言葉が胸を震わせる。
「持っててくれたんだね、それ…。」
「当たり前だろ?花奏が手作りしてくれた大事なお守りなんだから。いつも肌身はなさず持ってた。もちろん、あの時に貰ったシャーペンだって、今も大切に使ってる。」
駅前の文具店で買った青色のシャーペン。
眞紘くんの好きな色だったから、気に入ってくれたらいいな…と思っていたけど…
ずっと使ってくれてたんだ…。
目頭が熱くなると同時に、滲み出した視界。
そして、溢れた雫が頬をつたった。
「花奏…!?」
眞紘くんは、目を見開いて驚く。
「だっ、大丈夫…。ちょっと涙腺が緩んじゃっただけだから…。」
慌てて濡れた頬を拭ったけれど、次から次へと零れ落ちていく涙。
止めたいのに、止まらない。