幼なじみの隣で不器用な恋を
「だから、眞紘が戻って来てくれて嬉しかった。白石の笑顔、明らかに変わったもんな。寂しさが消えた。」
「そ、そう?」
コクンと頷く矢口くんに、頬が熱くなった。
自分自身、実感は無かったけど…
眞紘くんが居るか居ないかで、私の笑顔…分かりやすいぐらい変化があるのか…。
……となると、もしかして…私が眞紘くんを好きだってことも気付いてたりする…?
お弁当のご飯を口に運ぶ矢口くんをジッと見つめた。
「…………。」
いや、さすがにそれは考え過ぎか…。
矢口くんの目に映る私たちは、あくまで“仲が良い幼なじみ”のはず。
私が眞紘くんに対して、特別な恋愛感情を持ってるだなんて、想像し難いよね…。
うんうん…と心の中で納得するように頷いた。
これから先も、この恋心だけは誰にも気付かれないように、ちゃんと隠し通さなくちゃ。
今の距離感を守るためにも…。