幼なじみの隣で不器用な恋を
いや、違うか…。
慶介が気付くぐらい、俺の表情や態度に花奏への想いが溢れてるんだ…きっと。
“好き”っていう気持ち、日に日に膨らんでいってるもんな…。
とどまる気配がない。
だから、焦りは禁物だと分かっていても、花奏に対して不意に本音を口にしそうになる。
この前だって、そうだ。
“力になれることがあったら何でも言って”って花奏が口にした時、思わず“彼女になって欲しい”っていう言葉が込み上げた。
困惑する顔を見るのが怖くて、声に出さないよう抑えたけど、かなり危なかったな…。
苦笑いしながらケーキ屋へと入る。
可愛らしいケーキがショーケースに並ぶ中、数種類のケーキを選んだ。
喜んでくれるといいんだけど…
そう願いながら店を出て、花奏の家へと向かう。
途中、交差点の横断歩道の前で信号が青になるのを待っていた時だった。
「あれ、眞紘くん…?」
突然、飛んできた声。
振り向いた視線の先には、花奏が立っていて…。
思わず目を見開いてしまった。