幼なじみの隣で不器用な恋を
「花奏、どうしてここに…!?」
「駅前の本屋さんに買い物に行って来たんだ…。ちょっと買いたいものがあったから。」
「…そ、そっか。」
心臓、バクバクいってる…。
こんなところで会うと思ってなかった上に、今の今まで花奏のこと考えてたからだな、絶対。
「眞紘くんも、お出かけ…?」
「まあ…そんなところ。あっ、今から花奏の家に行こうと思ってたんだ。これを渡すために。」
少しぎこちない動きで、手提げのケーキ箱を花奏の前に差し出す。
「これ、『sweets album』のケーキだぁ…!どっ、どうして…?」
「弁当を作ってもらう、お礼…。これじゃあ足りないぐらいだけど……」
「お、お礼だなんていいのに…。でも、ありがとう…。私、ここのケーキが大好きだから、すごく嬉しい…!」
目をキラキラ輝かせながらケーキ箱を受け取った花奏。
無邪気な笑顔を浮かべる姿に、俺も頬が緩んだ。