幼なじみの隣で不器用な恋を

「どうして、俺が嫌いな食べ物…知ってんの?」


セロリが苦手なのは事実。


だけど、そのことを今まで親以外に打ち明けたことはなかったのに…。


「だって、眞紘くん…サラダにセロリが入ってると、何気に避けて食べてたでしょ?一度だけ口に運んだの見たことあるけど、その時は…眉をしかめて難しい顔してたし。だから、嫌いなんだろうな…って思ってたんだ。」


そう言えば、花奏の家で夕食をご馳走になるた時、サラダにセロリが入ってることが多くて…。


さり気なくセロリを口に運ばないようにしてたっけ。


確かに、一度だけ…克服しようと思い立って食べたけど、やっぱりダメだったんだよな。


花奏やおばさんたちに悟られないように、平然と食べてたつもりだったけど、バレバレだったのか…。


それにしても……


「よく見てくれてたんだな、俺のこと。しかも、それをずっと覚えてくれてたなんて、ビックリした。」


俺ですら、記憶の片隅に置いてあった出来事なのに…。


< 87 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop