幼なじみの隣で不器用な恋を
「小さい頃から眞紘くんと一緒の時間が多かったから、自然と気付いちゃったのかも…。な、なんか…驚かせちゃって、ごめんね。」
「いや、別に不快に思ってるわけじゃねぇから謝るなよ。今のは…嬉しくてビックリしたんだし。」
「そ、そうなの…?」
パチパチと大きな目を瞬きさせる花奏に頷く。
「考えてみれば、俺も花奏のこと…傍でずっと見てたから、お前の好き嫌い…把握してる。」
「本当!?言ってみて…?」
「好きな食べ物は、スイーツ全般にリンゴ、あと…オムライス。んで、嫌いな食べ物は…ピーマンだろ?違う?」
目を見開いて固まる花奏。
自信あったんだけど、間違ってたんだろうか。
内心…ドキドキしていると、花奏は手から提げていた本屋の袋をバサッと地面に落とした。
「すごい…。眞紘くん、大正解。よく分かったね。」
「花奏、小さい頃から“ピーマンは嫌い”って自分で言ってたからな。それに…花奏の誕生日は、毎年…オムライスとリンゴとケーキが定番だし。」
花奏の好き嫌いは分かりやすかったんだよな…。