幼なじみの隣で不器用な恋を
「ど、土曜日…ケーキありがとう。ご馳走さまでした。」
「喜んでくれて良かった…。あっ、そのバッグの中身…もしかして弁当?」
「うん。」
キラキラした目しながら指差す眞紘くんに、ぎこちなく頷く。
私、声にも少し力が入っちゃってる。
もっと普通な感じに受け答えしなくちゃ…。
「花奏の弁当、めちゃくちゃ楽しみ。早く食べたい…。」
「昼休みまでは、当分…時間あるよ?」
「だよなぁ…。でも、俺…今から待ち遠しくて、一限から腹が空きそう。」
「えっ、さすがにそれは早過ぎだよ。」
お腹をさすりながら無邪気に笑う眞紘くんに、私も笑みが溢れた。
今のは自然な流れで話せたよね…。
この調子…。
心の中で頷いていると、隣に並んで歩いていた眞紘くんが私の前に立った。
「どうしたの?」
「花奏、髪…ピョンって跳ねてる。」
「ほ、ほんと!?どの辺?」
は、恥ずかしい…。
慌てて手であちこち髪を触っていると、眞紘くんはフッと笑った。