幼なじみの隣で不器用な恋を
そんな私の願いも空しく、鼓動や熱は学校に着いてからも、なかなか落ち着かなくて…
ようやく症状が沈静化してきた…と感じる頃には、お昼休みを迎えていた。
なっちゃんや矢口くんも一緒に、屋上で4人揃っての食事。
トートバッグからお弁当を二つ取り出すと、なっちゃんが身を乗り出すようにして、それを見つめた。
「あれっ?花奏のお弁当、二人分!?」
「う、うん…。でも、一つは眞紘くんの分だよ?」
「えっ、結城君のお弁当?」
「眞紘くん、毎日が購買パンだと飽きるかな…と思って、週に何回か作ってくることにしたんだ。この方が多少は栄養の偏りも防げる気がしたし…。」
「へぇ…」
ニヤリと意味深な笑みを浮かべながら頷く、なっちゃん。
な、なんだろう…その反応。
まさか、私が眞紘くんを好きだってことに気付かれちゃったのかな…?
幼なじみにお弁当を作ってくるのって、一般的には…あまりないことなのかもしれない。
内心ソワソワしていると、なっちゃんがクスッと微笑ましそうな顔で笑った。