双子ってサイコー!!
「臭くねぇぞ?
むしろ、いい匂いだ」
「…………馬鹿!臭せぇって!
お前、今鼻詰まってんだよ、絶対!」
「臭くねぇって!!」
「ちょっ…、馬鹿!!
そんなデカい声出すな!」
イケメン野郎は、周りの目を気にして
オレの口を手で抑えた
「分かった分かったから!
ほら、帰るぞ」
「あ………」
また……
オレの手を……
イケメン野郎は、またオレの手と繋いで
校門から出た
コイツの手……
デカいな……
「アキ」
「…………」
「アキ?」
「……あ、な、なんだよ!」
オレは、自分の名前で呼ばれていなかったので返事をするのに遅れた
そうだった……
オレは、今……アキなんだ……
「明日は、俺部活休みだから
一緒に帰れるよ
今日のお前見てたら…
御堂のこと嫌いみたいだからさ
俺がこれから一緒に帰るよ
部活がある日は、待っててもらえるか?」
「………………一緒に…」
一緒に帰る………
それはオレじゃねぇ……
アキだろ……
なんだ、オレ……
なんで、悲しくなってんだ……?
「そうだ!
明日、学校終わりにどこか行こうぜ?
前、アキが観に行きたいって言ってた
映画でも観に行くか?」
「………………」
オレじゃねぇ……
オレじゃねぇよ……
お前が一緒に行きたいって思ってるヤツは……
「アキ……?」
「…………オレは…」
行きてぇ………
もっと、コイツと一緒にいてぇ……
なんだか分からねぇけど……
お前と一緒にいてぇんだ……
ゴメン。アキ……
もう少し……
もう少しだけ……
オレをアキにさせてくれ
「映画は嫌だ!
ゲーセンにしようぜ!」
「………お、おお。
お前がそう言うなら…俺は別に
そうだな。ゲーセンにするか!」
「おう!」
明日もコイツといたい……
こんな気持ちは初めてだ
誰かと一緒にいたい……って思うのは…
「おっ、着いたな……
じゃあ、またな。アキ」
「ああ。またな!」
また……
またがあるんだ
やべぇ……
なんか超嬉しい…!!