貴方の事を奪いに来たの。
高校1年生
---春。
桜が満開を過ぎた頃、
あたし、七瀬 百合は高校1年生になりました。
学校は家から一番近い所を選んだ。
新しい制服に身を包まれて迎えた入学式の日。
「あー、百合と違うクラスじゃんー。」
「本当だ、離れちゃったね。」
クラス発表の紙を見ながらそう呟いた彼女は、
立花 日菜子(たちばな ひなこ)、
家が近所で小学校からずっと同じ学校に通っている幼馴染。
じゃぁまた帰りにね、と残念そうに言って日菜子は自分の教室に入って行った。
日菜子に手を振って見送った後、あたしも2つ隣の自分の教室に入った。