貴方の事を奪いに来たの。

あたしがショックで俯いていると、







「百合先輩…大丈夫ですか?」

「え?うん、大丈夫だよ?」







心配そうにあたしの事を見つめて聞いてくる望月くんに

あたしは今出来る精一杯の笑顔で返した。

望月くんは苦虫を潰したような表情をした後、ぎこちない笑顔で、







「まぁ練習、見て行ってください…」

「うん、ありがとう。」







そう言った後、練習の準備をする望月くんを少し手伝っていると

後ろから可愛い声が聞こえた。







「望月先輩…」

「あ、遅かったね。」







ちょっと探し物してて、と笑った女の子は

サッカー部の練習用具を持っている。

あ…この子が、新しいマネージャーの子なんだ…