貴方の事を奪いに来たの。


でも…、と思いながらチラッと再び時計を確認する。

部長会議っていつ終わるか分からないしな…

と思い、あたしは望月くんに、御免ねと謝り、








「龍之介くんによろしく伝えといてくれる?」

「…分りました。」







望月くんは渋々承諾してくれた。

他の皆にも、じゃぁまたね、と伝えてからあたしはその場を離れた。




部長会議…かぁ。

タイミング悪かったなぁ…

夏休み中の部活の予定とか知らないし、

もう…来れないよね…。

あたしは急いでいるのにも関わらず

そんな事を考えながらトボトボと校門に向かう。

校門を出て、振り返ってグラウンドを見る。



もう一度、少しでいいから

彼のあの表情を、あの眼を見たかったなーー。




< 113 / 128 >

この作品をシェア

pagetop