貴方の事を奪いに来たの。
でも…、と思いながらチラッと再び時計を確認する。
部長会議っていつ終わるか分からないしな…
と思い、あたしは望月くんに、御免ねと謝り、
「龍之介くんによろしく伝えといてくれる?」
「…分りました。」
望月くんは渋々承諾してくれた。
他の皆にも、じゃぁまたね、と伝えてからあたしはその場を離れた。
部長会議…かぁ。
タイミング悪かったなぁ…
夏休み中の部活の予定とか知らないし、
もう…来れないよね…。
あたしは急いでいるのにも関わらず
そんな事を考えながらトボトボと校門に向かう。
校門を出て、振り返ってグラウンドを見る。
もう一度、少しでいいから
彼のあの表情を、あの眼を見たかったなーー。