貴方の事を奪いに来たの。


ーー冬。







年末が近づき冬本番になった今日この頃、

あたしは同期のサッカー部の集まりに参加していた。







「本当にあたしまで良かったの?」

「は?何遠慮してんだよ、七瀬もサッカー部のメンバーだろ。」






佐伯くんにおずおずと聞けば彼は

何言ってんだ?と言いたげな顔をしながらあたしに言った。

本当は去年もこの時期あたりに集まりがあって誘われていたが

用事が入ってしまっていた為、参加していなかった。

なので卒業以降会っていなかった面々に会えた事と

そう言ってもらえる事が嬉しかった。

大体のメンバーが集まりあたし達はカラオケボックスに入った。

ワイワイ盛り上がっている所より少し離れた所に

あたしとその隣には佐伯くん、その隣に直江くんが座っていた。


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