貴方の事を奪いに来たの。
他愛もない話を3人でしていた時、佐伯くんが急にあたしに話を振る。
「で?龍之介とはどうなんだよ?」
「え?」
「卒業してから進展あったのかよ?」
あたしは飲んでいたドリンクを置きながら、あー、と煮え切らない返事をした後、
龍之介くん彼女出来たみたいで…と苦笑いをしながら言えば
佐伯くんは驚きながら食いついてきた。
「は?龍之介に?」
「うん…」
「何かの間違いじゃねーの?」
「ううん。龍之介くんの同期の子に聞いたし…」
佐伯くんは、へーと言いながらも、まじか…といった顔をしている。
あ、後それに、とあたしは続けて、
「彼女に挨拶されたし…」
「挨拶⁉︎」
「うん、マネージャーの子だったから顔合わせちゃって…」
「マネージャー⁉︎」
「へー、やるねぇ。龍之介ってムッツリっぽいよねぇ。」
「お前は黙ってろ!」
先程までニコニコしながら聞いていた直江くんの言葉に
佐伯くんは睨みながら突っ込む。