貴方の事を奪いに来たの。
はぁ、とため息をつきながら佐伯くんはあたしに問いかける。
「で?龍之介も彼女だって言ったのかよ。」
「いや、言われてないけど…」
「はぁ?じゃぁ分かんねーじゃねぇか。」
「でも彼女がいる事は否定しなかったし…」
あたしがそうブツブツ言うと盛大にため息をつかれた。
佐伯くんは、背もたれにボスっと身体を預けながら、あいつ…と小さく呟いた。
「それでその後は龍之介に会ったの?」
「ううん、一回行ったんだけど、部長会議で会えなかったの…」
「そうなんだ、残念だったね。」
本当にそう思っているのか分からない直江くんの言葉。
佐伯くんは何も喋らなくなっちゃったし、
空気が重い!そう思い、あたしは話題を変える。