貴方の事を奪いに来たの。
2人の間に少し沈黙が生まれる。
今だ、今言うしかない。
「あのー」
「あのね、龍之介くんに伝えたい事があって来たの。」
龍之介くんの言葉とあたしの言葉が重なったが
あたしは龍之介くんの言葉を遮って言い切る。
何か言おうと思っていた龍之介くんは言うのを止め、
俺に…?、と不安げに聞いて来た。
その問いに、うん、と真剣な眼差しで彼を見ながら頷く。
その後、小さく深呼吸をして
あたしは笑顔で彼に言葉を放つ。
「貴方の事を奪いに来たの。」