貴方の事を奪いに来たの。
少し上を見れば少し照れながら微笑んでいる龍之介くんの顔が目に映る。
優しい眼であたしを見ている。
あたしはそんな龍之介くんに戸惑いながら、
「か、彼女は…?」
「…あれは色々あって無理矢理付き合う事になってたんです…」
「…?」
「あー、詳しくはまた話します。」
そう言いながら視線を反らして頬をポリポリとかく龍之介くん。
やっぱり何か訳があったんだ…
日菜子や佐伯くんの言う通りだった。
そんな事をボーッと考えていると真剣な眼差しで龍之介くんに呼ばれる。
「七瀬先輩。」
「はい?」
「俺と、付き合ってください。」
今度は真正面からあたしのあの大好きな眼に見つめられながら、
龍之介くんから伝えられる。