貴方の事を奪いに来たの。
あたしは嬉しくて涙を薄っすらと浮かべながら返事をした。
「はいっ。」
あたしの返事を聞いた龍之介くんは微笑みながらまたあたしを再び抱き締める。
その時、
「おーい、龍ー?大丈夫か…って、あれ?」
「…望月。」
「あー、わりぃ!オレお邪魔虫だったな☆」
望月くんの声が聞こえてもあたしは未だに龍之介くんの腕の中で、
足音が遠ざかって行った後にあたしは解放された。
あたしはテンパりながら、今の…と聞くと、望月です、とサラリと恥じらいもせす答えた。
「とりあえず、行きましょうか。」
「え?」
「部室。顔出してください。皆喜ぶんで。」
そう言われ冷静な龍之介くんとは正反対に視線を彷徨わせていると
顔が近づいてきたかと思ったら、耳打ちをされ、
「まぁ、すぐに2人で抜け出しましょうね。」
そう言われ顔を真っ赤にしたあたしを見て意地悪な笑みを見せる。
その後あたしの手を取って歩き出し、
あたしは、龍之介くんと一緒に部室に向かったのだった---ーー。
fin.