貴方の事を奪いに来たの。


「まぁ、いいけどさ。てか片岡、あれから部活行ってないんだって?」


「うん、そうなの。」







あの夏休みの出来事があった次の日から

片岡くんは部活に来なくなった。

あたしも言い過ぎたので謝ろうかな、と思っていたのだが

部活には来ないし、クラスが違うのでなかなかタイミングが掴めず

未だに謝れてはいない。







「やっぱり、あたしのせいだよね…」

「あー、百合が気にする事じゃないでしょ。」

「でもさ…」

「あーゆー男はプライドが高いだけだから。」






だから気にする事はない、と日菜子にぴしゃりと言われてしまった。


< 19 / 128 >

この作品をシェア

pagetop