貴方の事を奪いに来たの。
「まぁ、いいけどさ。てか片岡、あれから部活行ってないんだって?」
「うん、そうなの。」
あの夏休みの出来事があった次の日から
片岡くんは部活に来なくなった。
あたしも言い過ぎたので謝ろうかな、と思っていたのだが
部活には来ないし、クラスが違うのでなかなかタイミングが掴めず
未だに謝れてはいない。
「やっぱり、あたしのせいだよね…」
「あー、百合が気にする事じゃないでしょ。」
「でもさ…」
「あーゆー男はプライドが高いだけだから。」
だから気にする事はない、と日菜子にぴしゃりと言われてしまった。