貴方の事を奪いに来たの。
「百合は部活どうするのー?」
「んー、今の所考えてないんだよね。」
「バレー部は?入らないの?」
あたしは中学3年間、バレー部で過ごした。
確かにバレーはやってて楽しかった。
でも高校で続ける事までは考えていなかった。
その事を日菜子に伝えると、
「まぁ別に部活に入るの強制じゃないしねー。」
「日菜子は?」
「入るわけないじゃん。バイトするし。」
あ、そっか。
高校生になったんだから、バイトっていう選択肢もあるのか…
バイト…いいかも…。
「あ、部活入るんだったら気を付けなよ。」
「え?」
「変な男に絡まれないようにねって話。」
日菜子はあたしの事を心配そうな目で見て言った。