貴方の事を奪いに来たの。


「いやぁ、辞めようと思ってるんですよねー。」

「え⁉︎…何で?」

「あー…おれ百合先輩目当てで入ったんですよ…」







気まずいのかあたしの事を見ず、頬を少し掻きながら

練習キツイし、サッカーしたいわけじゃなかったんで…

と彼は言葉を続けた。








「それに佐伯先輩といい感じなら可能性無いなーって思って。」

「えっ⁉︎」

「あ、おれこっちなんで。お疲れ様っす。」







そう言って彼は行ってしまった。

いや、何か、色々突っ込みたい事あったんだけど…

とりあえず、ショック…かも…

あたし目当てでサッカー部に入ったなんて…

直江くんが言ってた通りだったんだ…。

そんな事を考えて少し落ち込みながら、あたしは家路に着いた。



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