貴方の事を奪いに来たの。
そしてあれから1ヶ月とちょっと経った夏休みに入る前には、
1年生の新入部員は半分程に減っていた。
「見事に減っちゃったよねー。」
「はい…。」
「きっとキツイ練習が嫌だったんだろね!」
部活が終わり、雪乃先輩と一緒に後片付けをしていると
雪乃先輩は相変わらずの笑顔で話していた。
きっと…、あたしのせいだ。
サッカーをしたくて入ったわけじゃないからキツイ練習についていけない、
勿論、本当に練習が嫌で来なくなった子もいるんだろうけど、
でも辞めた子の中にはあたし目当てで入った子もいるわけで。
現にあの帰り道で話した1年生の子はもう何週間も前から来ていない。
「すみません…。」
「え?何で百合ちゃんが謝るの?」
「あたしの…せいです…」