貴方の事を奪いに来たの。
そうして2人して各々の目の前の作業に戻る。
日誌を書きながら、
そう言えば、今日の部活の時に廊下で話してた子仲良いのかな…
その事を聞こうか迷っていた時、
「そう言えば七瀬って、好きな奴いんの?」
「え?何で…?」
「いや、付き合ったりとかって話聞かねーからさ。」
佐伯くんは自分の目の前にある紙から目を離さずにあたしに問いかける。
そしてその言葉を聞いて、あたしは思い出した。
「あっ!」
「びっくりした…。何だよ。」
「御免、佐伯くん!あたしのせいで噂になってるの知ってた⁉︎」
そう去年の末に日菜子から聞いた噂の
あたしと付き合っている、という話を佐伯くんに謝っていなかった。