貴方の事を奪いに来たの。


「七瀬こそ、男作った方がいいんじゃねーの?」

「どうして?」

「いやちょっとでも男除けになるだろ。」







そう言われて、それは確かに効果はありそう…と思ったが、

今は本当に彼氏とか考えてないし…。








「ま、好きな奴もいねーんだろ?」

「え?うん…」

「焦らないで、見つけていけよ。」







そう言って心配そうな眼差しで微笑んだ。

本当、佐伯くんは人の事良く見て色々考えてるよなぁ…。

いっぱい心配かけて申し訳ない…。

そう思いながら頷いて、お互い黙って作業を続けた。



好きな人…か。

全然そんな気配ないもんなぁ。

高校の間に好きな人とか出来るのかな…?


3年にあがって、好きな人が出来るなんてつゆ知らず、そんな事を思っていたーー





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