貴方の事を奪いに来たの。
「七瀬先輩…?」
「うわっ、びっくりしたー!…龍之介くんかぁ。」
「どうしたんですか?」
いきなり声を掛けられた事に驚いたのと
あたしの名前を呼んだのが龍之介くんだった事に
照れてしまい、あははと笑った。
龍之介くんはそんなあたしに構わず部室に入りながら聞いてきた。
「いや、この上に置いてある箱が取れなくて…」
そう言いながらあたしは先程取ろうとしていた
ロッカーの上の段ボールを見ながら指差した。
こんな所に誰が置いたんだろうね、と少し文句を言おうと思い、
龍之介くんの方向を見れば、
あたしの目の前には龍之介くんの胸板が映っている。