貴方の事を奪いに来たの。


---入学式から数週間後。



「七瀬さん、先輩が呼んでるよ…」

「え…?」






同じクラスの喋った事が無い子が廊下を指しながら遠慮気味に話しかけてきた。

廊下の方向を見てみたがあたしの席からは姿が見えない。

先輩なんて勿論心当たりは無い。

どうしよう呼び出しだったら…と思いながら

伝えてくれた子にお礼を言って廊下に出た。

そこには、







「あー!貴女が七瀬さん⁉︎めちゃくちゃ可愛いー!」

「…あの…」

「急に御免ね!」






私、2年の服部 雪乃(はっとり ゆきの)!とあたしの前にいる人は

ニカッと笑って自己紹介をした。

意味が分からずあたしは呆然としていると、






「七瀬さん、入る部活とか決めてる?」

「いえ…」

「じゃぁさ!サッカー部のマネージャーやらない⁉︎」






服部先輩はそう言ってあたしに詰め寄って来る。

サッカー部のマネージャー…。

何で2年の先輩があたしなんかに…。

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