貴方の事を奪いに来たの。
え…?
何であたしの目の前に龍之介くんの胸板が…?
と言うよりも…ち、近い…!
そんな事を思っているうちに胸板はあたしの目の前から離れていき
次はあたしの目の前に龍之介くんの顔がアップに映る。
「はい、これですよね。」
「……」
「あの、七瀬先輩…?」
先程までロッカーの上にあった
段ボールを差し出しながらあたしに問いかける。
しかし、胸板と顔のアップに衝撃を受け返事どころではないあたし。
絶対今、あたし顔赤くなってる…!
そんな事を一人で焦っていると
返事を全くしないあたしを不思議に思ったのか
龍之介くんはあたしをじっと見つめる。