貴方の事を奪いに来たの。
「えっ⁉︎いい!いいよ!龍之介くん疲れてるでしょ?」
「それは七瀬先輩も一緒ですよね。」
「あーそれは…そうだね…」
と痛いところをつかれてしまい力なく笑った。
龍之介くんは無気力ながら真剣な顔をしている。
…こんな顔で言われたら断れない…
「じゃぁ、お願いしようかな…?」
そう小さい声で言うと、
その返事に満足したのか龍之介くんは少し微笑んだ。
…その表情も反則っ!
あたしは勢いよく龍之介くんから顔を背け、掃除を再開した。
暫くの間大した会話もなく、
話したのは掃除に関する事だけで、
この荷物は何処に置けば?、とかそうゆう類の会話だけ。
黙々と掃除をしている最中、
…そう言えば、龍之介くんは何で部室に…?
と今更な疑問があたしの中で浮かんだ。