貴方の事を奪いに来たの。

7月



ーー高校3年生 7月。





梅雨も明け、もうすぐで夏本番になる頃。

あたしは体育倉庫に来ていた。

佐伯くんに練習に必要な道具の予備が体育倉庫に置いてある、と言われ

あたしは1人で取りに来ていた。

ここの倉庫電気無いし、昼でも暗いんだよなぁ…

そう思いながら探していると、お目当ての物を見つけ

早くこの場から離れようと倉庫を出た時。







「あれー?七瀬ー?」

「え?あっ…。」







声がした方向を見れば一緒のクラスの

チャラいと有名な男の子が立っていた。

チャラチャラしたタイプの人は苦手で

関わりたくないと思い、急いでるから、と告げてグラウンドに戻ろうとした時、







「えー?ちょっと待ってよー?」

「ちょ、ちょっと…!」







男の子はあたしの腕を掴んだ。


< 65 / 128 >

この作品をシェア

pagetop