貴方の事を奪いに来たの。
7月
ーー高校3年生 7月。
梅雨も明け、もうすぐで夏本番になる頃。
あたしは体育倉庫に来ていた。
佐伯くんに練習に必要な道具の予備が体育倉庫に置いてある、と言われ
あたしは1人で取りに来ていた。
ここの倉庫電気無いし、昼でも暗いんだよなぁ…
そう思いながら探していると、お目当ての物を見つけ
早くこの場から離れようと倉庫を出た時。
「あれー?七瀬ー?」
「え?あっ…。」
声がした方向を見れば一緒のクラスの
チャラいと有名な男の子が立っていた。
チャラチャラしたタイプの人は苦手で
関わりたくないと思い、急いでるから、と告げてグラウンドに戻ろうとした時、
「えー?ちょっと待ってよー?」
「ちょ、ちょっと…!」
男の子はあたしの腕を掴んだ。