貴方の事を奪いに来たの。


男の子が見えなくなった辺りで

あたしは龍之介くんにお礼を言った。







「あの、龍之介くん。ありがと。」

「いえ、別に。」






先程とは違っていつも通りの表情や眼の龍之介くん。

さっきの龍之介くんも凄く格好良かったな…

と思い出しているとあたしは、はっとした。

さっきの会話…もしかして聞かれてた…?

そう思い、勇気を出しておずおずと龍之介くんに質問してみれば

何の事か分からない、と言ったような不思議な顔をされた。








「サッカー部に…みたいな…」

「…ああ。すみません、聞こえました。」





少しヒントを出して聞いてみれば、

あたしの質問の意味が分かったのか少し閃いたような顔をして答えた。

やっぱり…聞かれてた…。

これで、もしかして、あたしの気持ちがバレて…⁉︎



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