貴方の事を奪いに来たの。
「別に心配しなくても誰にも言いませんよ。」
「…え?……うん、ありがとっ」
あたしが心配してるのをよそに彼はケロッと言った。
まるで、自分は関係無いので、と言ってるかのように。
何で少しでも、自分の事かも…、とか思わないんだろう。
まぁそこが龍之介くんらしいけども。
でも、やっぱり、少し悲しい…
「じゃぁ、戻ろうっか。」
ぎこちなく笑ってそう言い、
2人で止めていた足を再び動かした。
それからグラウンドに戻るまでの間、会話は一切無かった。
龍之介くんにとって、あたしって、
ただのマネージャー…だけなのかな…。