貴方の事を奪いに来たの。
ーー7月後半。
日に日に暑さが増していっている今日、1学期の終業式だった。
午前中だけの為、その分部活は早く始まり
15時過ぎには部活は終わっていた。
部活が終わって、暫く経ってから部室に向かい、
誰も居ないと思い、部室のドアを開ければ…
「あれ、佐伯くん…」
「ん?おう、七瀬か。…何かデジャヴ?」
振り返ってあたしを見た佐伯くんは笑って言った。
確かに、2年生の時もこんな事あったな…と思い、
あたしもつられて笑った。
今回は自ら佐伯くんの隣に座った。
「どうした?」
「ん?引き継ぐ事を書いておこうと思って。」
「あー、新しいマネージャー見つかったのか?」
佐伯くんの問いにあたしは、うん、と頷いた。
来月には部活を引退してしまうあたしは
新しくマネージャーをやってくれる子を探していた。
何とか頼み込んで1つ下の女の子が
マネージャーを承諾してくれたのだ。