貴方の事を奪いに来たの。


顔を洗い終え、顔を上げた龍之介くんと目が合う。







「あ、お疲れ様龍之介くん。」

「お疲れ様です。」

「体調大丈夫?しんどくなったりしてない?」






あたしは龍之介くんの横に並び、

空になったドリンクボトルを水ですすぐ。






「俺は大丈夫です。七瀬先輩大丈夫ですか。」

「ん?大丈夫!もう3年目だから慣れちゃった!」






少し心配そうにあたしに聞いた龍之介くんに

あはは、と笑って元気に返す。

選手の自分よりマネージャーの心配するなんて、優しいなぁ…

と少し心の中で喜びながらボトルを洗い終え、

蛇口を閉めて、ボトルを持った。


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