貴方の事を奪いに来たの。
「え…?ああ、はい。」
龍之介くんは、急に何だ?と言いたげな表情で返事をした。
このままじゃ、いけない。
彼にあたしの気持ちを伝えなければ。
「あの事なら誰にもー」
「あの時言われた事、本当なの。」
龍之介くんの言葉を遮って真剣な表情で言う。
龍之介くんが誰かに言いふらすなんて、最初から心配していない。
別に言いふらされてもかまわない。
だが、龍之介くんは自分が考えていた事と違うと分かると
あたしの言いたい事分からないようで、眉間に皺を寄せながら顔を傾けた。
「その、サッカー部に好きな人がいる…て話…」
あたしは段々と恥ずかしくなり、
龍之介くんから目線を反らした。