貴方の事を奪いに来たの。
3月
ーー高校3年生 3月。
遠い未来だと思っていた高校の卒業式の日。
3年間あっという間だったなぁ、と式の間感傷に浸っていた。
式は無事に終わり、最後のHRも終えた後、
あたしは自分のクラスで色んな子と写真を撮っていた時、
「七瀬ー!1、2年が部室に集まってくれてるらしいから行くぞー!」
「あ、うん、分かったー!」
あたしのクラスを覗きながら入り口から
大きな声で言う佐伯くんに返事をした後、
「ごめん、日菜子。ちょっと行って来る!」
「いってらっしゃい。教室で待ってるし。」
ありがとう、と伝えてからあたしは廊下に出た。
そこには佐伯くんの他にも
サッカー部の面々が集まっていた。