貴方の事を奪いに来たの。
そう思いながら下駄箱に行くと、
「あれ、七瀬?」
「あ、佐伯くん…」
上靴から下靴に履き替えてる、同じクラスで同じ部活の
佐伯 諒(さえき りょう)くんに遭遇した。
「部活もうすぐ始まっちゃうよ?」
「週直で日誌書いてたら遅くなったんだよ。」
「あ、そうなんだ。」
「七瀬こそ、どうしたんだよ。」
そう佐伯くんに逆に質問されてしまい、
あたしは苦笑いをした。
そんなあたしを見て何か察したのか佐伯くんは
大変だな、と小さく呟いた。
「ほら、早く行かねぇと遅れるぞ。」
「あ、うん!」
佐伯くんの隣に並んで部室に向かった。